第5回五福の会開催
■五福の会について
地域に開かれた病院の会として、約10年前の平成17年8月に発足した五福の会は、病院と地域社会をつなぐ窓口となる会として存在しています。この会において、病院は運営状況や取り組みの方向性を報告し、これに対して地域の有識者の方からは病院に対する提言や要望をいただいた事項を病院運営に反映することで、さらに地域医療に貢献することを目的としています。
ちなみに、五福とは書経のなかで「寿命長く財力豊で、無病息災で徳を好み天命を全う」するという五つを言います。
■今回ご参加の有識者の皆さま
当院は、10年前とは内情が大きく様変わりしました。年間救急搬送台数は1,200台から2,400台に、年間外来患者数は15,000人から25,000人に、そして年間新規入院患者数は700人から1,200人にと大幅に増加し、その対象は西区に留まることなく、広島市全域、さらには周辺部にも広がっているという状況です。今回の開催に当たってはこのような状況を鑑み、参加して頂く有識者の方を広域に拡大し、お声掛けしましたところ、平口洋衆議院議員、山木靖雄広島県議会議員、砂原克規広島県議会議員、田川寿一広島県議会議員、豊島岩白広島市議会議員、定野和広広島市議会議員、原裕治広島市議会議員、平野太祐広島市議会議員、山本昌宏広島市議会議員、山田春男広島市議会議員、松村誠広島市医師会長、篠原秀久広島市西区医師会長をはじめ、当院が診療支援を行っている庄原市立西城市民病院 郷力和明院長、さらに広島市職員、広島市消防救急隊、広島市西警察署など行政職員の方々、さらには地域の各企業、また地域包括支援センター、民生委員、町内会長の方々やお寺のご住職といった方々のご参加をいただきました。
■開催内容
平成28年3月4日金曜日、18時15分より、当院のリハビリ室特設会場におきまして、総勢61名の広島市内外の有識者にご参加いただき、病院の現況報告および地域の方々との有意義な意見交換を行いました。
まず、荒木攻理事長の開会の挨拶があり、次に、沖修一院長から、ハード面およびソフト面ともに10年前に比較して飛躍的な成長を遂げた現在の当院の状況の説明がありました。
続いて、脳血管内治療科の渋川正顕主任部長より「脳卒中治療の最前線~当院の脳血管内治療の取り組み~」の講演があり、脳卒中ガイドライン2015において、脳梗塞の急性期治療にはrt-PA静注療法や内科治療に加えて血管内治療での血栓除去術を施行することが、その後の日常生活自立度の優位な改善につながることが確認されたとの報告がありました。当院においては、日本脳神経血管内治療学会専門医3名体制による最新の血管内治療の現状が報告されました。
次に、広島市西区医師会の落久保裕之理事より「西区医師会による西区在宅あんしんネットの取り組み」と題して、西区医師会の「在宅あんしんネット」に関するこれまでの取り組みと電子媒体を使った連携システムの運用状況、さらには今後の事業の展望などをご講演いただきました。
一方、有識者代表として平口洋衆議院議員、山木靖雄広島県議会議員ならびに木下義男五福の会会長からは、それぞれに、地域が、今後当院に期待する重要な機能として、診療科の増設、24時間対応の救急救命室の検討、地域医療への更なる貢献や介護との連携、そして地域住民への医療や介護に関する啓蒙の継続などの貴重なご提言とご要望を頂戴しました。ありがとうございました。
今後も定期的に五福の会を開催し、常に地域の方々に必要とされる病院の運営に役立てていきたいと考えます。
診療補助部門 地域連携室 佐々木 洋