薬の飲み合わせ
●薬の飲み合わせとは?
「薬の飲み合わせ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?薬を服用する際に一度に数種類の薬を服用したり、同時に摂る食物や飲み物の影響によって、その薬だけ単独で飲んだ場合よりも効果が弱まったり、逆に副作用が強くなってしまうことがあります。これを「相互作用」ともいいます。
●相互作用の種類
相互作用は大きく分けて2種類があります。一つは薬と食物(または他の薬)を一緒に服用することで薬効成分の吸収、代謝や排泄の過程に影響するというものです。もう一つは食品成分(または他の薬効成分)が薬の効き方に協力的または拮抗的に影響するというものです。
●薬と食物の飲み合わせ
注意した方がよい薬と食物の飲み合わせをいくつか紹介します。
・野菜・果物、ジュース類
グレープフルーツジュースは一部の高血圧薬(アムロジピン、アダラートなど)や血液をサラサラにする薬のプレタールを分解されにくくし、薬の効果が強くなってしまうことがあります。ビタミンKの多く含まれた食品(納豆、青汁、クロレラなど)は血液を固まりにくくする薬であるワーファリンの効果を弱めることがあります。
・アルコール
アルコールによって睡眠薬や抗うつ薬の効果が強くなることがあり、さらに一部の抗生物質(セフメタゾールなど)や一部の糖尿病薬(トルブタミドなど)では悪心や二日酔いのような症状が強く現れることがあります。
・牛乳
牛乳やミネラルの多い食品は一部の抗生物質(ミノマイシン、シプロキサンなど)や一部の骨粗鬆症薬(ベネット、フォサマックなど)の吸収を妨げることがあります。大量の牛乳と下剤の酸化マグネシウム(マグミットなど)を一緒に服用するとカルシウムが吸収されすぎてしまい、吐き気や食欲不振が起こることがあります。
上記で紹介した飲み合わせはごく一部です。他にも薬と薬、薬と健康食品やサプリメントなどの飲み合わせもあり、注意すべき飲み合わせは無数にあります。きちんとした薬の効果を得るためにも、服用している薬との飲み合わせの悪いものを知っておくとよいでしょう。詳しい薬の飲み合わせについては薬局で薬剤師に相談しましょう。
参考資料:e-ヘルスネット 食物と薬の相互作用
文責:薬剤部 槇本有悟