お知らせ

「移植医療を考える広島県民講座」にて沖修一病院長が講演されました!

 平成22年12月19日(日)、「移植医療を考える広島県民公開講座」が中国新聞ホールにて開催されました。この県民公開講座は、広島県医師会、(財)広島ドナーバンク、広島県が主催し、県民や医療関係者が約160名参加しました。

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 まず、広島大学病院移植外科教授の大段秀樹先生から、「移植医療の現状~肝臓・腎臓疾患等の移植医療へ」と題して講演がありました。法改正後、全国の脳死移植が月0・4件から5件に増えたと報告されました。続いて、日本臓器移植ネットワーク臓器提供施設委員会委員・広島ドナーバンク評議員でもある当院病院長の沖 修一先生が、「改正臓器移植法と臓器提供協力施設の現状」について話されました。臓器移植に関する法律が平成22年7月に改正され、本人の意志が不明な場合でも家族の同意により臓器の提供が可能となり、法改正後、家族の同意による脳死下の臓器提供が増加し、臓器移植に対する関心が高まっていることなどを報告されました。
 「臓器提供者の家族のお話」では、寺の住職だった父親を亡くした娘さんは、父の心停止後の腎臓提供を決めた経緯を振り返り、臓器提供意志表示カードは書いていなかったけど「日頃の生きざまから父は間違いなく提供を望んだに違いないと確信した」と述べられ、「そういう絆でもって、育ててくれた父に感謝します」と、涙ながらに話されました。
 また、「肝臓移植を受けた方のお話」では、04年に奥様からの生体肝移植手術を受けられ、「妻の体を傷つけてまで自分に生きる価値があるのかと悩んだ」と当時の心境を語られ、「移植手術を受けたからこそ感じる命や時間の大切さ、私の新しい人生は、家族からの贈り物」と声を詰まらせ、奥様に感謝の気持ちを伝えられました。
 最後の意見交換会ではカープの白浜捕手、相沢投手も参加し、「日頃から家族で話し合いを」と、移植医療の大切さを訴えられました。

   かけがえのない家族と今生の別れをせねばならないという尋常ならざる状況のなかで、限られた時間のうちに大きな決断をしなければならない、どのようなお気持ちで決断し、その後の生活を送られているのか、臓器提供者の家族の思いを直接聞く事ができました。

(文責:看護部長 島田節子)

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