薬の正しい飲み方について
薬を正しく飲むことは、期待する効果を得るためにも、思いがけない副作用を避けるためにも非常に大切です。では薬はなぜ飲み方に決まりがあるのか、簡単ではありますがその重要性について考えてみましょう。
薬は適量の水またはお湯で
薬を飲む時は大体コップ1杯くらいの水または体温程度のお湯で飲むのが良いとされています。多くの薬は溶けて身体に吸収されますが、冷たすぎたら溶けにくく、熱過ぎたらタンパク質や消化酵素が成分として入っている種の薬は変化してしまう恐れがあるからです。また、ジュースや牛乳、お酒などと一緒に飲むと成分が変わったり、効果が強く出たり、弱く出たりする薬があります。たかが飲み方一つで大げさな・・・と思われる方もいることでしょう。しかし、適量の水又はお湯で飲むことは基本であり、とても重要なことなのでしっかりと守りましょう。
タイミング
ご存知かもしれませんが薬にはそれぞれ飲むタイミングがあります。
- 食後…食事をしてから
- 食前…食事の30分前に飲む(例:漢方薬、消化管機能促進薬など)
- 食直前…食事をする5分くらい前を目安に飲む(例:糖尿病薬の中のある種の薬など)
- 食間…食事をする前後2時間を目安に飲む(例:尿毒素を吸着する薬など)
その他にも特殊な飲み方をする薬や、時間を決めて数回に分けて飲まなくてはいけない薬などがあります。用法には必ず意味があり、正しい飲み方をすれば期待通りの効果が発現し、副作用の発現確率を下げることが出来ます。医師は患者さんのライフスタイルや状況に合わせて処方されるケースもありますので、医師の指示した用法をしっかりと守るようにして下さい。
最後に
このように薬本来の力を100%引き出す為には、薬を正しく飲むことが重要です。薬と仲良く付き合いながら、いかに快適な生活を送れるかが最も大切なことだと思います。薬の飲み忘れ、飲み合わせが不安、飲み方がわからない、など少しでも疑問があれば医師・薬剤師に相談してみましょう。
参考文献:All About 健康・医療
文責 薬剤部 大田浩之