診療科・部門

脳神経外科

概要

当院は「脳神経外科」を主軸とする病院で、脳神経外科疾患全般を治療しておりますが、特に「脳卒中専門病院」として、脳卒中治療には力を入れております。 脳神経外科専門医をはじめ日本脳神経血管内治療学会専門医や日本脳卒中学会専門医が複数在籍しており、超急性期から回復期まで脳卒中治療に対応できる体制を整えております。

「脳血管疾患」は厚生労働省人口動態統計においても死亡原因の4位(男性-4位、女性-3位:2013年)に位置しており、現在においても侮れない疾患群のままです。いずれの疾患も意識障害、言語障害、運動麻痺など後遺症として残る可能性が高い疾患ですので、可能な限り早期に治療を行う事が重要な疾患群です。当院でも来院到着後は出来る限り早く治療を開始する為の努力を行っております。時間を争う「脳血管疾患」に関しては、病院規模ではなく、小回りの利く機動性が必要と考えられますので、「フットワークの軽い」治療を行えるのが当院の特長です。

主要疾患への取り組み

当院は「脳卒中専門病院」ですが、まずは「脳卒中」に関して簡単に説明しておきます。

脳卒中とは・・・

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3疾患を総称して「脳卒中」と言います。
「脳梗塞」は脳の血管が動脈硬化や、他から流れてきた血栓(血の塊)によって詰まってしまって血流が流れなくなり、その結果、脳組織に酸素や栄養物が運ばれなくなって、脳組織が死んでしまう病気です。
「脳出血」は高血圧や血管の奇形などの原因で、脳の出血をする病気です。
脳出血のうち、脳と脳の間に走っている動脈に瘤(こぶ)ができてそれが破裂し、脳を包む膜の一つである、くも膜の下に出血が起こるのがくも膜下出血です。

いずれの疾患も重篤であれば死亡する可能性もあり、また、救命できても意識障害や言語障害、運動麻痺など後遺症として残る可能性があり、早期に適切な治療を行う必要があります。

脳卒中治療に関しては脳卒中治療ガイドライン2009という基本方針が日本脳卒中学会から出ています。当院ではこれに出来るだけ沿った治療を行っています。治療に緊急性がある場合には「脳卒中専門医」が素早く適切に判断して治療を開始し、緊急性がない場合は毎日の朝のカンファレンスで適切な治療方針を協議の上で治療を行っています。

脳梗塞に対する治療

 一昔前には、「脳梗塞」に対する治療は、「点滴による内科的治療」と「リハビリテーション」しかありませんでした。現在でもこれらが主となる治療である事には変わりはありませんが、発症早期の「超急性期」と言われる時間帯の治療に関しては近年目覚ましい進歩がみられています。

 2005年から内科的治療である血栓溶解療法(t-PA治療)が行われるようになりましたが、脳の太い血管が詰まり生命に関わる最重症の脳梗塞である主幹動脈閉塞症に対しては再開通率が約10-30%と低く、効果が限定的でした。

 そのような中、血栓を回収する道具(ステントリトリーバー)を用いたカテーテル治療(脳血栓回収療法)が登場し、約80-90%と極めて高い再開通率が得られるようになりました。2015年に米国ガイドラインで強く推奨される治療となり、2017年9月には本邦の脳卒中治療ガイドラインで、グレードA(強く推奨)として記載されました。

 内科的治療に脳血栓回収療法を加えた場合、社会復帰率が約14%、自宅復帰率が約20%増加するという、劇的な効果が明らかにされました(Goyal M, et al. Lancet 2016)。この治療は時間短縮がきわめて重要であり、来院から再開通が4分遅れるごとに、100人治療したとして、自宅復帰できる人が1人ずつ減っていくことが明らかとなっています(Saver JL, et al. JAMA 2016)。脳卒中治療ガイドラインでも、「患者来院後少しでも早く治療を行うこと(グレードA)」とされています。

 当院では、2015年より「来院後少しでも早く脳血栓回収療法を行える体制」を整備し、3年間で115例の治療を行いました。複数の脳血管内治療専門医が在籍することにより、平均して60分以内、早ければ30分以内と、24時間365日、迅速に脳血栓回収療法を行える体制をとっています。

脳出血に対する治療

「脳出血」に対する治療は、一般的に「保存的治療」と「手術的治療」に分けられます。出血量が多かったり、意識状態が悪い場合には「手術的治療」を行います。「手術的治療」も頭の骨を大きく開けて血腫を取る「開頭血腫除去術」と、頭蓋骨に穴をあけて血腫を吸い取る「穿頭血腫吸引術」がありますが、意識状態や血腫量によって適切な手術を選択して行っています。この手術は必ずしも来院してすぐ(急性期)に行う訳ではなく、1週間程度保存的に経過を診てから手術(穿頭術)を行う事もあります。

くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)に対する治療

「破裂脳動脈瘤」に対する手術には、頭の骨を開けて動脈瘤にクリップをかける「ネッククリッピング術」と、頭の骨は開けずに血管の中から動脈瘤内に詰め物をする「コイル塞栓術」(血管内手術)があります。当院の基本方針としては「コイルファースト」つまり、「コイル塞栓術」をまず検討し、出来ない・難しい場合には「ネッククリッピング術」を検討するという方針ですが、いずれにも対応できる体制が整っています。
「コイル塞栓術」に関しては、脳血管内治療学会専門医が責任を持って対応しております。
また、出血する前の動脈瘤(未破裂)に対しても、脳卒中治療ガイドラインをふまえた上で、経過観察も含めて、十分な説明と同意(インフォームドコンセント)を行い、患者さん・ご家族のご希望を十分に聞いた上で対応しております。

その他の疾患

その他の脳神経外科疾患としては、外傷(急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫 など)や脳腫瘍、感染性疾患(脳炎、髄膜炎 など)にも対応しております。

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